裏切られてばかりの方へ(@受取人不明)

あなたは何かに裏切られたことがありますか?

親友、恋人、家族、お金、会社、宗教、国家、、、、などなど、あなたも何かに裏切られた経験があると思います。

しかし裏切られてもそれに「すがる」(縋る)のが人間です。「すがる」から裏切られた時に辛くなるのに「すがる」ことをなぜだかやめることができないのです。

なぜ「すがる」ことを辞められないのでしょうか?ズバリ答えは「人間だれしも、希望がないと生きていけない」からでしょう。

勉強すれば、、、結婚すれば、、、子供が生まれれば、、、お金持ちになれば、、、出世すれば、、、『幸せになれる』と信じることで、わたしたちはなんとか毎日をやり過ごすことができるのです。

今回紹介する映画は「すがる」がゆえに、裏切られ続ける人間に焦点を当てた映画です。

受取人不明

あらすじ

韓国人女性と黒人米兵との混血児チャングクとその母親は、差別され、救いのない毎日を過ごしている。

母は米国にいる夫に「迎えに来てくれ!」と手紙を送っているが、いつも受取人不明で戻ってきてしまうのだった。。。。。

見どころ(ネタバレあり)

キム・ギドク監督の作品は「救いのない作品」ばかりです。もちろん今回紹介した「受取人不明」も「救い」なんてものとは無縁です。

娯楽映画が「苦難に遭遇するが、一致団結して乗り越える」という成長物語をモチーフにしている一方で、なぜ?キム・ギドク監督は救いのない映画ばかりを世に送り出すのでしょうか?

おそらく「この世の中は救いなんてものはない」ということが、キム・ギドク監督が一番伝えたいメッセージなのでしょう。

冒頭で申し上げたとおり、「縋ると裏切られる」のは世の摂理です。

受験勉強を勝ち抜いて東大生になったある友人は「東京大学に入学してからの方が勉強している。いつまで勉強すればいいのか?」と頭を抱えていました。

別のある友人は「医者になって確かに経済的に裕福になったが、忙しすぎてお金を使い暇がない。本当にこれでよかったのか?」と悩んでいました。

お金持ちになったある友人は「お金持ちになるほど、上には上がいることがよくわかる。だから前よりも劣等感が強い。」と悩んでいました。

永遠の愛を信じたある友人は「あの男(結婚相手)は、わたしを一生幸せにすると嘘をついた。一生許さない!」と怒りに打ち震えていました。

あなたも「日本政府は『年金だけを頼りにせず自助努力で資産形成せよ。』だなんていっている。信じられない!」と国家に失望しているかもしれません。

そうなんです。信じれば信じるほど、、、、すがればすがるほど、、、、「裏切られる」のです。それが世の摂理なのです。

さて、ここからが本題です。

「裏切られる」という言葉だけを切り取ると、あなたは「裏切られたくない。だから縋るのをやめよう!」と考えてしまうかもしれません。

しかし冷静になって考えてみれば「何か」にすがり、勘違いしたまま生きることができるのは、それだけでとても贅沢なことなのです。

映画「受取人不明」をみればそのことがよくわかります。

チャングクの母は、どこにいるともわからない男に手紙を送り、返信を待つこと自体が『人生の糧』になっています。

もしチャングクの母から「希望」を奪ったら????チャングクの母は何に縋って生きていけばいいのでしょうか???

映画「受取人不明」には、チャングクの母の他にも、何かにすがり続ける人物がたくさん登場します。

ある登場人物は「愛」にすがり、別の登場人物は「勲章」にすがります。しかし縋ったがゆえに、それらを手に入れる前よりも「不幸になる」のです。

なぜならば「どうしても欲しかったもの」を手に入れた結果、「欲しかったものを手に入れても人生はたいして変わらない」ことに気づいてしまうからです。

受験勉強を頑張って志望校に合格した結果、あなたは幸せになれましたか?

社会人になり学生時代では考えられない大金を手に入れた結果、あなたは幸せになれましたか?

結婚して子供が生まれた結果、あなたは幸せになれましたか? etc

おそらく「幸せに慣れてしまった」のではないでしょうか?

教訓。死ぬまで人間の欲望は果てることはありません。だからこそ、わたしたちはいつだって、「縋る」ことのできる「何か」を探し続けるしかないのです。

さて、、、、あなたが次に「すがる」ものはなんでしょうか?

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