仲間だと思っている人から「お前なんか、仲間じゃない」と宣言されたら??あなたはその言葉をそのまま受け取りますか?
今回は「そもそも仲間とは誰のことなのか?」ということを深く考えさせられる映画を一つ紹介します。
特捜部Q カルテ番号64
特捜部Qは未解決事件を専門に扱う部署。メンバーは3人。しかし長年生死を共にしたイスラム系移民の同僚アサドが1週間後に別の部署に異動することが決定。
そんな中マンションの隠された部屋から、ミイラになった女性3人が同じ食卓を囲んでいるという、異常な事件が発生するのだが・・・・
見どころ(ネタバレあり)
「特捜部Q」シリーズの映画4作目です。ベストセラーになった北欧ミステリーの傑作を映画化した作品です。
作品を貫く大きなテーマは「優生思想」です。優生保護法の下では、優生学的断種手術、中絶、避妊が合法化されていました。
特捜部Qでは、頭のてっぺんからつま先まで優性思想に染まってしまった残忍な人たちが登場します。
映画を鑑賞するわたしたちは「これは日本から遠く離れた北欧デンマークでの話・・・」と現実から目をそらしたくなりますが、日本でも優生保護法(ゆうせいほごほう)という法律が1996年まで存在していました。
日弁連によると、全国で手術を受けた約8万4千人のうち、約1万6,500人は同意なく不妊手術されたそうです。
2019年5月28日には、知的障害を理由に不妊手術を強制されたのは違法だとして、宮城県内の60代と70代の女性が国に損害賠償を求めた裁判の判決が下りました。
仙台地裁は「違憲だと判断できるが、不妊手術から20年の『除斥(じょせき)期間』を過ぎたため、損害賠償を請求する権利が消滅した」と判断したのです。
日本人の多く「日本人は特別に優秀だ。」と無意識に信じています。その無意識が「移民大国日本」という現実と衝突したときに発生する弊害を、映画「特捜部Q」は暗示しているような気がしてなりません。おススメです。
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